お祭りで子どもが大好きな屋台といえば「金魚すくい」。でも、すくったはいいが「家までもつ?」「飼育できるの?」と不安になりますよね?
だいたい金魚すくいの準備なんてせずに、お祭りに出かけるんですから「ひえー!すくえちまったー!」となって当然です(笑)
この記事では、筆者が屋台でとった金魚を持ち帰って飼育した経験を元に、金魚の持ち帰り方から飼育方法までをまとめています。
どうせすくえてしまったなら、元気に育ててあげたいですよね!ぜひ最後まで読んでみてください。
屋台で金魚をゲットしてから家に帰るまで
金魚すくいに成功した場合はもちろん金魚が手に入りますが、一匹もすくえなかった場合でも「おまけ」として金魚がもらえることがあります。
金魚をゲットしてしまった場合の流れを下にまとめました。
金魚をゲットしたら、まず金魚を持ち帰るか決めましょう。
金魚すくいの屋台では、持ち帰れない人も金魚すくいが楽しめるように「リリースOK」の看板を出しているところもあります。
看板が出ていない場合は、リリースできるか店主に確認してください。
下記のような状況のときは、生きたまま金魚を持ち帰れない可能性が高いので、金魚すくいをした屋台で引き取ってもらいましょう。
- 帰宅までに2時間以上かかる
- すでに金魚がぐったりしている
- 込み合う電車など、袋の口を開けられない状況で帰る
家に着くまでに金魚が死んでしまう原因は、多くの場合が酸欠とストレス。
家に帰るまで、なるべくストレスを与えず、酸素を取り込める状況にすることが大切です。
屋台によっては、頼むと水を多めに入れてくれたり、酸素を足してくれたりする場合もあるので相談してみてください。
大きな揺れや振動は金魚にとってストレスになりますが、全く揺らさずに帰るのは不可能なので、できるだけ揺れないように気を付けて帰りましょう。
外の世界が見えるのもストレスになるので、箱や紙袋などで視界を遮ってあげると良いですよ。
お子さんが金魚の入った袋を振り回したり、引きずって歩いたりしないしないように気を付けてください。
袋の口が閉じていると空気が入ってこないので、あっという間に酸欠状態になってしまいます。
とくに、金魚が複数匹入っている場合は注意が必要です。
袋の口を開けたり、可能であれば口の広い容器に移して、酸素が水に溶けやすい状態で持ち運びましょう。
帰宅までに時間がかかる場合は、水道水で良いので水を足してあげてください。酸素の溶けた水を入れることで酸欠が防げます。
※水道水に含まれるカルキは金魚に良くありませんが、酸欠の方が致命的です。
「金魚をとったら急いで帰る」が、金魚の生存確率を高める最大のポイントになります。
ついでに買い物をして帰りたい気持ちをグッと抑え、真っすぐ家に帰りましょう。
屋台でとった金魚は、まずは1日生存させることに注力します。帰宅してすぐに金魚の飼育環境を整える必要はないので、急いでエサなどの飼育用品をそろえなくても大丈夫ですよ。
金魚のケアに必要なので、食塩(アジシオはNG)が家にない場合は購入して帰ってください。
家についたら、金魚の状態をみて「塩水トリートメント」を始めましょう。
「金魚に塩水!?」と思うでしょうが、金魚の体調を整えるために必要なので、ぜひやってみてください。
下記「塩水トリートメント」について詳しく紹介します。
塩水トリートメントは、体力が落ちていたり、体表にトラブルが発生したりしたときに金魚を休ませ、療養させるために行う飼育テクニックです。
金魚と水の塩分濃度を近づけることで、浸透圧による水の侵入を減らし、排水にかかる体力を温存させる目的があります。
また体表の寄生虫や汚れを落とす効果があり、感染したばかりの病気であれば治る可能性もあります。
屋台に出ていた金魚はストレスにさらされ体力が落ちているうえ、寄生虫や病気にかかっている可能性があります。いきなり水槽に入れるのではなく、まずは塩水トリートメントで金魚の体調を整えながら、環境に慣らしていきましょう。
塩水トリートメントは、塩分濃度を金魚の塩分に近づけるため、濃度0.5%の食塩水を使います。1Lに対して5gの塩をとかして作りましょう。
突然水質や水温が変わることも金魚にとってはストレスなので、様子を見ながら徐々に塩水に慣らしていってください。
エアレーションがない環境では、水深が深いと水中に酸素が溶け込まないので、金魚が泳げる範囲で水深を浅くしてみましょう。
金魚の様子を見ながら1週間から2週間行いますが、元気がなかったり病気を発症したような場合には治るまで続けます。
病気の場合は、初心者が塩水だけで治すのは難しいので、薬浴に切り替えたり、可能であれば獣医さんに診てもらいましょう。(意外と診てくれる病院があるようですよ)
金魚を飼育する方法
金魚が元気になったら、飼育環境を整えます!
ここでもいきなり水槽に金魚を入れるのは大きなストレスがかかるので、数日かけて、新しい水槽の環境と水質に慣れさせていきましょう。
金魚の飼育に必要なアイテムは下記の通り。
- 水槽
- カルキ抜き
- ろ過フィルター
- 餌
最低限、これだけあれば金魚を飼育することができますが、金魚の隠れ場所になり水質の浄化効果もある水草や、水温を保つヒーターも必要であれば揃えましょう。
酸素供給のためのエアレーションを設置する場合には、エアーの量を調節して、金魚にダメージを与えないように注意してください。
金魚は比較的飼育しやすい魚として認知されていますが、体調を崩すとあっという間に死んでしまいます。
金魚の飼育で大切なことを下にまとめたので、チェックしてみましょう。
元気になったとはいえ、金魚にストレスを与えてはいけません。
子どもやペットが水槽に手(または前足)を入れて追い回したり、水槽を揺らしたりすると金魚がストレスを感じてしまいます。
なるべく振動や刺激を与えないようにしてあげてください。
エサの食べ過ぎは、消化に体力を使いすぎたり、排泄物を増やして水質の悪化を招いたりします。
金魚が消化不良を起こさないように、様子を見ながら少量ずつ与えていきましょう。
食欲がなく調子が悪そうなときは、2~3日絶食して腸を休ませます。餌を再開するときは、慎重に様子を見て1粒から与えてみてください。
ろ過フィルターや水質調整剤を使用や季節によっても頻度が変わるので、あくまでも目安としてですが、2週間に1回程度水を換えると良いでしょう。
水換え用の水はカルキを除去したものを使い、水槽と同じ温度にして金魚ヘの衝撃を和らげます。
水槽の水を2/3程度抜いてから、金魚が水流で溺れないように静かに新しい水を足しましょう。
水換えに慣れていない初心者は、下のような㏗測定器を使って水換えのタイミングを計るのもおすすめです。
まとめ
金魚すくいでとった金魚は、かなり弱っていたり病気に罹っていたりすることが多いため、残念ながらすぐに死んでしまう個体が少なくありません。
無事に家まで連れ帰れたら、まずは塩水トリートメントで療養させてください。なるべく刺激を与えず遠くから見守りましょう。
元気になったら様子を見ながら飼育環境を整えた水槽に移します。エサは金魚の負担にならない量を与え、食欲がない場合は数日絶食をしたり、水質に異常がないか確認したりしてください。
屋台でとった金魚も、上手にケアすれば長生きしてくれます。まずは一日一日を乗り切れるよう、焦らず様子を見ていきましょう!